そーさくびより ( はてブロ版 )

『そーさくびより』は本家が別にありますが、はてブロでは雑記をメインに書いて行こうとおもいます。

短編小説 シャベリーナがベリーズで働くまで

主な登場人物

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シャベリーナ(左)

ルクレーシャ(右)

 

首都の居住区の一角に、ある富豪が建てた豪邸があった。

一般的な一戸建ての敷地の10倍以上はあろう敷地にある
その豪邸にはシャベリーナという娘が住んでいた。

シャベリーナは皆と何かが違うと薄々気がついていた。
黄色っぽいオレンジの羽毛の鳥類で大学生である事。

いや、そういう事ではない。

他の皆は縛りがなく自由な暮らしをしているように見えたのだ。
比べてシャベリーナは家のルールに縛られていた。


「私も皆と同じように生まれたかった……。
 お嬢様とか呼ばれたくないわ。
 私も庶民でありたい。


生まれる家庭を選べない事に悔やみ、皆を羨んだ。
どうしたら良いのか彼女なりに思案していた。


「時間を作って庶民とふれ合えば私も馴染めないかしら。
 お父様が『悩んだら時間か環境か場所を変えなさい』って言ってたわ。


シャベリーナは校内でキッカケを作る相手を考えた。
校内なら機会を作りやすいからだ。


「そうだ、あの子……
 トレアちゃんなら!


トレアはシャベリーナと同じ校舎に通う庶民の同級生だ。
一言二言程度だが、庶民の中でもシャベリーナと何度か接点がある。

 

次の日、シャベリーナはトレアにコンタクトをとろうと試みた

 

授業が終わり生徒達は家路に都合と校門へ向かう
そのタイミングを狙いトレアに接触する事にした


まだトレアは外に居ない。これから出てくるのだろう。
シャベリーナは学校を背に校門までの道のりをゆっくりゆっくりと進む。
少し歩んでは足を止め携帯をのぞき込み何か操作しているふりをして横眼で周囲を察し、また数歩進む。


そしてついにトレアが現れシャベリーナを追い越した。
シャベリーナは後ろから足並みが不自然にならないよう歩幅を考えながらトレアへ追いつくように歩み寄った。


「トレアさん


シャベリーナは好意的に接しようと思っていたが
声を掛けられたトレアはかまえてしまった


「なん……ですか……?


今までシャベリーナと話す機会が無かったトレアにとっては、
下校時に話し掛けられるなんて想定外で、
瞬時に何か裏が有るに違いないと思ったのだ

こわばった表情のトレアとどうにかして会話したい


(こういう時は笑みと明るい声が大事……!


シャベリーナは笑みを作ってできるだけ自然にふるまい好印象を与えようと努めた。


「一緒にお話しませんか?

「……。


トレアは怯えている。
シャベリーナは明るい声を意識して話を続けた


「私トレアさんの事をいろいろ知りたいのです


その時だった。
よくシャベリーナを取り巻く生徒達が通り掛かった


(どうしてこんな時に……!


取り巻きの彼女らはシャベリーナとトレアの間に割って入り、
壁を作るように並び圧のある強い視線を向け、
そして心ない言葉をトレアへ向けた

ただでさえ不安そうだったトレアの表情が悲しみの顔へ変わった
声が震え、涙は頬を伝って胸元を塗らした
トレアはその場にいたたまれなくなった


「お嬢様なんて身分で、
 私の事なんか分かりっこないわよ!
 

トレアは叫び、声にならない声をあげ駆け去った


(こんな筈じゃなかったのに……!
 どうしてこんな事になっちゃうの?!

 

 

 


帰宅後、シャベリーナは今日の事を思いだし枕に顔をうずくめた


「時間を作っただけじゃ駄目だった……
 校内じゃ場所が悪いのかしら……


天蓋ベッドでゴロンゴロンと寝返りをうつように悩み、
ケータイで地図を開き、座標を自宅から学校へ移動した


「場所かあ……


なんとなく地図を縮小して広範囲を表示したとき、
隣街のランドマークがいくつか表示された。


「駅、商店街、本屋さん……


目に入った物を呟き続けていると閃いた


「喫茶店


取り巻きがついてこない隣街で、庶民が集まりそうな所へ行けばいい。
隣街ならお店に入っても顔を知られていないはず。
そして庶民の話が必然的に効ける喫茶店バイトにつこうと思った。

その日の夜のうちに電話で面接の予約を入れ、
作戦翌日実行に移す事にした

翌日。
取り巻きの彼女らには放課後の予定があると伝え
いつもの迎えの車を呼ばずに駅へ向かった

予定通り学校を離れる事ができて、
無事に最寄り駅まで到着できたものの、駅の利用に困ってしまった。
今まで自家用車で移動していたから駅を利用した事が無かったのだ。


「乗り物に乗るには何か手続きが要るのかな……
 窓口で訊いた方が早いかな


とりあえず映画館みたいに窓口でチケットを買い求めるのかと思い
窓口へ向かったが、窓口の人は困惑した

話を聞くと電車のドアにセンサーがあり、
携帯電話の情報を読み取って決済するから
チケットレスで乗車できるという事だった。

アクシデントはあったものの無事隣街へ移動できて
約束の時間に間に合って面接は突破し、
翌週からシフトに組んで貰える事になった。


「やった……! やった!
 これで少し目標に近づいた!


そして翌週、待ち望んだ初出勤の日が訪れた。

シャベリーナは定時より30分早く勤怠を打刻し、
意気揚々と喫茶店の制服に袖を通し、
心揺れる胸を落ち着かせながらカウンターに立ち
笑みを作りゆっくりと客席を見渡した。


「あら……?


今日は鳥類の客が多い


「あの顔ぶれは……


よくよく観察すると見た事ある顔ぶれが混ざっている


「うん……うん……?
 もしかして……


見た事ある顔ぶれが混ざっているどころではない
来ている客が全てシャベリーナの家に仕えている者達だ


「ということは……
 まさか……!


ハッとして窓から軒先を覗き込むと
物陰に何者かが潜んでいる事に気づいた。

影の形でわかる。
うちに仕えているシークレットサービスが隠れている。


「どういう事……!?


心の奥から嫌な予感がモヤモヤと湧きだし、
その場に立っていられなくなった。

そのままシャベリーナは逃げるように駆け出し、
客の来ない店の奥の戸を開けて
部屋の隅に隠れるようにうずくまった


「こんなの、こんなの嫌……!
 私は私らしくありたいだけなのに!


気づいた時には涙が流れていた
床に染みを作るように広がっていく


「どうしたの?


声を掛けてくれたのはルクレーシャというバイト仲間だった
彼女は庶民の出身である


「ルクレーシャちゃん……


今までの事を話すとルクレーシャは親身に聴いてくれた

ルクレーシャは庶民だが一人っ子だから箱入り娘のように育ったという
大切に育てられた一方で門限が定められたり、沢山の習い事をさせられ、
厳しい決まり事が多く過保護に感じていたそうだ


「だからね、私分かる気がするんだ……。
 今度なんかあったら私が助けてあげる!


そうしてルクレーシャと連絡先を交換した

 

 

――翌日、務め先の喫茶店が休業になった。


店長から連絡があり買収されたとの事だった
店長は詳しく話してくれなかった。

その後ルクレーシャから電話があった。

シャベリーナは窓辺にある椅子に腰かけ、
手でめくりあげるようにカーテンを少し開き、
月を眺めるようにして電話に出た。


「うちのバイト先、買収されちゃったんだって
 短かったけど一緒に働けたの嬉しかったよ

「ね。
 私もルクレーシャちゃんと知り合えて良かった。
 でも、昨日の今日で買収が決まって休業になるなんて、
 どこが買収したらそんな事になるんだろう……

 

「それ、私知ってる。店長から聞いたよ。
 実はーー

 

 

「ーーそれ、うちだ……!

 

 

買収したのはシャベリーナの親が運営しているグループだった

 

 

「……うん、ありがとう。
 また連絡するね。


気が動転しマトモに話せそうにない。

その日のルクレーシャとの話を終え、
窓辺からベッドへ向かい力の抜けた棒のような足でトボトボと歩き、
手からポトッと落とすように電話を枕元に置いた。


「どうして……どうして……!?


ガクッと膝の力を失うようにベッドへ仰向けで倒れ込み、
頭の中がゴチャゴチャと分からなくなってしまった。

 

 

 


シャベリーナが自室の戸を開けて廊下へ出た時だった。


「部屋で隠れるように電話を掛けてから分かっていました。

「……お母様?


廊下の奥から歩み寄るように声を掛けてきたのはシャベリーナの母だった


「あなたは私の娘なのです。
 私が気づいてないと思ったのですか。

「……。
 どうしてこんな事を……

「自覚なさい。あなたはこの家の娘なのです。
 庶民らしくあろうなんて私が許しません


「そんな……!


シャベリーナは母から逃げるように走り去った。

家を飛び出したものの行き先を考えてなかったシャベリーナは
目の前にあった近所の公園のベンチに腰かけた。


「どうして……
 どうして、こんなめに……!


周囲がどんどん暗くなっていく


「学校でトレアさんに寄れば取り巻きが邪魔するし
 街でバイトすればお母様が出てくるし
 やろうとした事が次々と失敗してしまう
 どうしたら私は自由になれるの?!


そこにルクレーシャから電話が掛かってきた
ルクレーシャがベリーズというスイーツ店で働くらしい


「私もルクレーシャちゃんと一緒に働きたい。
 でも、また買収されたら不安……

「そうね……


先日の一件がある。
あの母親なら次の勤め先さえも買収しかねない。

そこで閃いた。


「そうだ。私が代表になれば潰されない筈!


自分が代表になれば、親なら子の会社を買収しないだろうと見込んだのだ。


「それはそうかもしれないけど……

「そうよね。
 私はルクレーシャとそういう関係を望んでないし。


そう、シャベリーナが代表になると母の買収はされなくとも、
ルクレーシャを雇用する事になり主従関係を結んでしまうのだ。


「どうしたら良いんだろ……

「じゃあ、一緒に言いに行こう!

「えっ?

「どこに勤めてもお母さんがそんな事しちゃうんでしょ?
 だったら、強く言ってあげなきゃ!


ルクレーシャの言う事には一理あるが、
あの母が強く言ったくらいで引き下がるとは思えない。


「言ったくらいでお母様が変わるかしら……。

「言ってみましょ! 私も応援するから!
 ダメならまた一緒に考えるわよ!


そうしてルクレーシャが協力してくれる事になった。
ルクレーシャと合流し、自宅へ戻った。


「――で、シャベリーナを自由にしろと。
 そうおっしゃる訳?

 

シャベリーナの母は簡単には許さなかった。
ルクレーシャが言い出したくらいでは何ともならない。

母は畳み掛けるように圧を掛ける。

 

「庶民がでしゃばるでない!

「庶民とかそういうんじゃない!
 ルクレーシャちゃんはルクレーシャちゃんなのよ!
 私は私らしく生きたいだけ!
 私の居場所は私が決めたっていいじゃない!


シャベリーナが応戦するように母の説得を試みるが、
それを聴いた母は再びこの言葉を繰り返した。


「何度言ったら分かるのです。
 あなたはこの家の娘なのよ。自覚なさい!


ひるむシャベリーナに
母は尖ったような声でこう続けた。


「私はあなたに期待しているから言っているのよ。

「……。

 

沈黙が訪れた。

 


「話は聞いていたよ

 

そこへ現れたのはシャベリーナの父だった

 

「シャベリーナは良い友達に恵まれたようだ。
 信じてやってはどうかな?

「あなた……
 でも、庶民と一緒に居ては色々影響されてしまいます!

「私は信じて応援するのが親の務めだと思うよ
 今までシャベリーナがこれ程悩み、
 意思を貫こうとした事がどれ程あったかな

 

一瞬あたりが静かになり
父は話をつづけた

 

「シャベリーナを信じてみないか?

 

時計の針の音が聞き取れるような静けさが続く

 

そして、諦めたように母が口を割った

 

「……勝手になさい!

 

 

シャベリーナは一瞬信じられなかった
あの母が許したのである

 

 

「お父様、お母様!

「シャベリーナよ。
 お前はお前の信じるようにしなさい。

「お父様……っ

「そしてルクレーシャと言ったね。
 シャベリーナをよろしく頼んだよ。

「はい……はい!

 

こうしてシャベリーナは両親の許しを得て
ベリーズでルクレーシャと共に働ける事になった。

自分らしく居られる場所が見つかったシャベリーナが
庶民の理解を深めトレアと和解し共に励むお話はまた今度。

 


おしまい。

 

シャベリーナがベリーズで働く話はアンソロジーにも載ってるよ! f:id:e_happy_holiday:20200724182712j:plainf:id:e_happy_holiday:20200724182715j:plain
フムフムアイテム / フムフムアンソロジー

HTMLとは

今回は機会があったので、僕が他人にhtmlについて説明する時の内容を書いてみようかと思います。

 

htmlは文書

スイスの研究機関で誕生したそうです。
大量の論文やら資料やらを効率的に探すのはしんどいし、
人の入れ替わりもあって各々の状況確認もしんどいしで、発明されました。

 

文書にはURLという住所(アドレス)を充てておいて、
サーバーに文書を貯めてブラウザでブラウズすれば、あら便利!
URLを利用すれば文書内にリンクも貼れるから遷移も楽になりました。

 

 

html ( HyperText Markup Language )

文書を記述する言語です。


テキストとは文書の事。
ハイパーテキストとはリンクを貼れる文書の事。
マークアップとは意味を与える書き込みの事。教科書に線を引く感じ。
ランゲージは言語ですね。


つまり、リンクを貼れる文書内に意味付けする言語です。

 

 

論文のような文書を例にしましょう。

マークアップされてない論文はこんな感じ。

 f:id:e_happy_holiday:20200526180605p:plain

 

 

すんげー見づらい。

マークアップするとこうなります。

 

 

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どこが見出しと本文で、何が重要なのか読みやすくなりましたね。

人間だと見れば分かるんですが、これをコンピューターは理解できません。


ここまま閲覧するとこのような表示になります。

 

 

 

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これでは酷いのでどこをマークアップしてるのか指示してあげましょう。
この指示に用いるのがタグです。

 

 

 

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コンピューターの為にHTMLを書き加えました。
人間の目で見ると少し読みにくいえですが、
おかげでコンピューターも理解できるようになりました。

 

人間が紙を介して文書を閲覧するように、
コンピューターに貯まってる文書はブラウザで閲覧します。


ブラウザで閲覧する事をブラウズとかブラウジングとか言います。

 

 

ブラウザはURLの指定先から文書を取り出すのが役目です。
取り出した文書はレンダリングエンジンという仕組みを介してブラウザに表示します。

 

 

レンダリングエンジンには種類があって、同じ文書でも表示が違う事があります。
各々開発元が、文書の理想の見た目を追い求めた結果、個人差が出ちゃったんです。

 

 

一方は、デフォルトフォントはゴシックが良いと思ってても、
もう一方は、メイリオが読みやすいと思ったり。

 

一方は、リストの印は黒丸が良いと思ってても
もう一方は、灰色の立体的な丸が良いと思ったり、

 

そのせいでレンダリングエンジンやブラウザによって表示が異なります。
皆それぞれの思う一番見やすい表示でレンダリングしてブラウズさせてくれてるんですよ。

 

 

その後、html言語自体にも改良が重ねられ、最近はhtml5という言語もあります。
動画とかメジャーになって来ましたよね。紙の文書では表現できない音や映像や対話型処理が便利になりました。

 

 

 

css ( Cascading Style Sheets )

閲覧環境によって表示が違うのは困る事もありますよね。
そこでcssが便利です。

 

カスケーディングとは階段状に連鎖的に伝わるような感じ。
スタイルとは見た目の事。
シーツはcssファイルの事だと思ってください。

 

どのタグに見た目の設定を加えるかは
ルールやプロパティなどを使って設定します。


ルールの優先順位の決定基準など細かい話はあるのですが、
今回はhtmlの話なので説明を割愛しますね。

 

これで多くのブラウザで意図通りの閲覧が出来るようになりました。
それでもブラウザやレンダリングのバージョンの対応してない/対応が遅れてる事があって
必ずしも全ての閲覧環境で意図通りの閲覧が出来るという訳ではないんです。

 

 

奥が深い話ですね~

おわり。

短編小説 ベニーとアイ

首都から湾を挟んだ位置にドラゴン達が住む谷がありました

ドラゴン達はそれぞれ個性を持ち、

火を扱うのが得意なドラゴンが居れば、

水を扱うのが得意なドラゴンが居ました

そのドラゴン達が住む谷の外れには小さなアトリエがあります

このアトリエには絵を得意とする3人のドラゴンが住んでいました

 

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獣竜の子ベニーは紅色を得意とする元気いっぱいな女の子

伝説の絵師ハクに会う事を夢見てるんだとか

 

水竜の子アイは藍色を得意とする冷静な女の子

計算ならベニーより得意なんですって

 

そしてベニーとアイの絵師修行をしているのがクロ

この3人がアトリエで暮らしていました

 

「ねえクロじーちゃん。いったい何時になったらうちらは一人前の絵師になれるの?

 

今日も絵師修行に励むアイがクロに尋ねます

 

「まずはその歪んだ線をなんとかせい

 

「いつもそればっかり……同じ絵ばかり描いてても飽きちゃうよ

 好きな物だけ上手く描いて一番になればそれでいいじゃん

 

その様子を見たベニーが口を開きました

 

「そうそう。ゆるゆると可愛い絵を描いてればなんとか成るでしょ

 その絵柄が好きっていう人が集まって来るんだから

 

「ベニー、アイ。自分の描いた絵にそんなに自信があるのか?

 

「それを言われると……

 

ベニーは今手に持って居るカンバスを眺めました

歪んだ迷い線が何本も引かれています

 

「……ねえアイ

「何?

 

「あたし達クロじいちゃんに教わってるから一人前になれないのよ

「そうね。同感

 

ベニーとアイは描く手を止めました

 

「あたしね。ハク様に会えば道が切り開かれると思うの

 だって伝説のハク様ですもの。お導きを下さるに違いないわ!

「ウチはそこまで夢みてないけど、ハク様なら良い知恵をくれるでしょうね

 

「ハク様に会いに行ってみましょうよ!

 

2人はカンバスと画材をしまい始め、出かける支度を整えました

 

「ハクに会えば何とかなると思っているのか?

 

アトリエを出ようとする2人をクロは呼び止めました

 

「ハク様よ! クロじいちゃんには分からないのよ

「うちらずっとこのアトリエに居たし、

 ベニーの言うようにハクや人の話を聞くのは悪くないと思う

 最近の修行もマンネリ化してきたし、

 ハク様を探しに行くついてに人の話を聞きに行こうかと思う

 

「やれやれ……。ワシが引き留めても効かなそうじゃな

 気を付けるんじゃぞ

 

2人は意外と引き留めなかったクロにもやもやしながらアトリエを後にしました

 

「ねえアイ。ハク様はどこにいると思う?

「とても名高いハク様なら、首都にいるんじゃない?

 

「やっぱそうだよねー!

「となると、道中に村があるし誰かにハク様の場所を聞いてみてもいいかもね

 

ベニーとアイは谷を後にして村を目指しました

村に着いた後にハクの居場所を何人かに訪ねてみたところ、

名前は知ってるけど居場所までは分からないとの事でした

やはり首都まで行かないと居場所は分からないようです

2人は村を後にして川を越え、首都を目指すことにしました

 

首都についた2人は拠点となる宿を探し、受付でハクの居場所について尋ねてみました

「お姉さん、伝説の絵師ハクって知ってる?

「あたし達ハク様に会いたいんです! 居場所を知ってますか?

 

「はい。伝説の絵師ハクは存じ上げておりますよ

 しかし、あいにく居場所までは知らず、お力になれません

 でも、この付近にはアトリエがいくつかありますから、

 知っているお方がいらっしゃると思います

 そちらをあたってみてはいかがでしょうか?

 

「たしかにハク様の居場所を知っている人が居そう!

「他のアトリエって知らないし見学ついでによさそうだね

 

「決まり! アイ、明日からアトリエを巡ってみよう!

 

翌朝からベニーとアイはアトリエを巡ることにしました

まず行ったアトリエは宿から一番近いアトリエでした

行ってみると沢山の絵師が輪を描くように座り、

その中央で居眠りしている犬を書き写していました

 

「あのう……

 

アイが恐る恐る講師らしい人物に声を掛けます

 

「おや、いらっしゃい。こんにちは。何か用かい?

 

「ハク様を知ってますか?

 

「ははは。絵師なら知らない人は居ないだろう

 もちろん知ってるよ

 

「じゃあハク様の居場所は知りませんか?

 

「うーん。残念ながら知らないな

 

「そうですか……

 

ヒントを得られなかったアイは少し残念そうにしました

そこにアイが話題を切り替えます

 

「皆さんは今なにをしているんですか?

 

「デッサンだよ。絵師なら君達もやった事あるんじゃないかな?

 

「あるけど、あんまり好きじゃなくて

 いつも同じような物描かされるし

 

「うんうん、そうだね。同じような被写体が多いかもね

 

講師はアイの回答からなんとなく2人の力量を察しました

 

「君たちはどうして絵師になりたいの?

 

「あたしのゆる~く可愛い絵でチヤホヤされたい!

「うちは好きな絵で一番になりたい

 

「そうなんだね。それで、日頃はどんな事をしているのかな?

 

「思うようにゆるい絵を想像して描いてる

「好きな絵をもっと好きになれるように描いてる

 

「君たちはどこかのアトリエに属しているのかい?

 

「一応。あたし達クロじいちゃんに教えて貰ってるの

「だけどクロじいちゃんの課題がつまんないのよ

 うちは好きな絵を描きたいのに、いつも同じような被写体だし

 

講師はクロという名前にピクリと反応しました

 

「ははは、そうだよね。同じような被写体だと飽きちゃうかもね

 なら、少しの間だけ、うちのアトリエでいつも違う被写体を描いていかないかい?

 

「うーん。うちにある被写体は飽きちゃってたし

「ついでに良い練習になるならいいかもね

 

「じゃあ決まりだね

 輪に混ざって描いてごらん

 

ベニーとアイは講師の誘導で他の絵師の輪に混ぜて貰い、

居眠りする犬を描くことになりました

 

「カワイイワンチャン!

 

「可愛い子犬だろ?

 

「あたし可愛い絵を描けるようになりたいから、

 可愛いわんちゃんなら頑張れそう!

 

「上手い絵を描けるようになりたいんだろ?

 

「そりゃもちろん!

 

「じゃあ画力とは何だと思う?

 

「上手い絵を描く力?

 

「画力と上手い絵はちょっと違うよ

 画力とは脳内で思い描いた絵をそのまま紙に描き下ろす力

 上手いかどうかを判断するのは、その後の話だよ

 

「思い描いた絵をそのまま紙に描き下ろす力……

 

「そう、その為には描きたいものがどういう作りになっているのか

 きちんと理解しておく必要があるんだ

 幸い今日は可愛い子犬だからモチベーションも沸くだろう?

 

「うん!

 

「よく見て子犬の骨がどうなっていて筋肉はどうついているのか

 デッサンは本物を見て考察してみよう

 

「よく見て考察しろって、クロじいちゃんも言ってた……

 

「ハクもそう言うだろうね

 ハクは幼少時代にデッサンを数多くこなしていたそうだ

 描きたい物の形をしっかりと理解しておかないと描いた結果形が崩れてしまうからね

 

「ハク様がそう言ってたなら……私たちも!

 

それから何日間かベニーとアイはアトリエへ通い

まともに練習していなかったデッサンを学びました

 

そして講師の認めを貰える程度にデッサン力を身に付け、

少しだけ自分の絵に自信を持つことができました

 

しかし残念ながらハクの居場所は分からず終いだったので、

2人は次のアトリエを訪ねる事にしました

 

次に訪ねたアトリエでは、絵師たちが各々のカンバスに大胆な構図で描いていました

講師に話を聞くと、絵のデザインにはコツがあるという話を聞きました

 

「近接、整列、そしてコントラスト

 これらを意識しながら構図を組んでいけば見やすい絵が描けるんだ

 

「クロじいちゃんも言ってた……

 

自分達の絵を見返すと、カンバスに収まりきっている絵ばかりです。

形は整っているものの収まりすぎている感じがしました。

 

「絵が上手くなりたいんだろう?

 

「もちろん!

 

「たくさん答えはあるんだけど、上手い絵って何だと思う?

 

「ええっと、思い通りに描けた絵?

 

「下手な絵を描こうと思って思い通りに描いたら、それは上手いのかな?

 

「あれ、そう言われてみると違うなあ

 

「人が上手いと思うのは、シンプルで整っている絵だったり、

 情報量が多くても伝わりやすい絵とか、かな

 

「それを解決するのが近接とか整列とかコントラストなの?

 

「そういう事!

 何が重要なのか、どこから眺めたら良いのか伝わりにくいデザインは評価されにくい

 デザインのコツを抑えるとだいぶ見やすくなるんだ

 今度じっくりハクの絵を見てごらん

 意識して見ると気づきがあると思うよ

 

「そうか、クロじいちゃんもそれを言ってくれてたんだ

 煙たがって悪かったな……

 

2人はそのアトリエでも数日間世話になり、デザインを学んだのでした

以前に比べて色使いや構図など絵のバランスが整い見やすく描けるようになり

自分達の絵に少し自信を持てるようになりました。

 

「ところで、伝説の絵師ハク様に会ってみたいんですけど、居場所は知りませんか?

 

「さて、ねえ……

 でもハクに絵を依頼したという知り合いがいるよ

 絵が残っていれば見る機会もあるだろうし、紹介してあげよう

 何かヒントが掴めるんじゃないかな

 

「ありがとう!

 

このアトリエでもハクのヒントは得られませんでしたが、

どうやら次に会う人はハクと関わりのある人のようです

もしかしたら居場所がわかるかもしれません

 

2人は宿へ戻り宿の受付で借りた地図で行先を調べました

すると紹介された人物の住む目的地がお屋敷である事がわかりました

 

翌日、そのお屋敷へ訪ねると既に話は通っていたらしく、

中へ通して貰う事ができました

 

「ハクの絵を見たがっているのは君達かね?

 

「あ、はい

 

「ふむ。ついてきなさい。こっちだ

 

通された部屋は広く、大きな窓と大きな机、そっして深く腰掛けられる椅子があり、

絵はその部屋の壁に掛けてありました

 

「この絵、おじさん? 肖像画

 

「ああ

 

「写真じゃないんだね

 それに、この絵のおじさん、本物よりかっこいい

「こら!

 

口の軽いベニーにアイが注意します

 

「はっはっは。そう描いて欲しいと希望したのだよ

 私の未来像を想像して描いて貰ったんだ

 

「どうして?

 

「事業が成功して輝いていたいからね

 理想を要望したから本物よりかっこよく見えるのだよ

 

「写真じゃダメだったの?

 

「写真は事実を記録するのには適しているが、理想は写せないからね

 

「そっか……絵に出来て写真にできない事があるんだ

 

「ハクは良い仕事をしてくれたよ

 私のバッググラウンドまで詳細に聞き出して、

 それをきちんと絵に反映してくれた

 しっかりと要望にコミットしてくれる

 

「それでおじさんはいくら払ったの?

 

「はっはっは。ハクの要望に応えて支払ったよ

 ハクは実績もあって信頼できるからね

 結構な額面を提示したよ

 

「やっぱり高いんだ……

 

「だが見合った仕事で期待に応えてくれたのだよ

 

「期待?

 

「そう。肖像画とだけ言えば模写のように聞こえるかもしれないが、これは私の理想像だ

 未来のことだからどう描けば良いのか、その正解が私自身もぼんやりしている部分がある

 

「そのぼんやりに応える事を期待したの?

 

「そう。その絵を見て未来に希望を持って取り組みたいからね

 そしてハクが私の理想を知るには丁寧なヒアリングと整理や可視化が求められる

 それらを真っ白なカンバスに描き下ろすのは難易度の高い仕事だよ

 

「ハク様はもっと天才的に描きたいように描いてたんじゃなんだ……

 

「客と向き合って、しっかり要望に応えるプロ絵師がハクだ

 顧客の要望に応えて実績を積み次の仕事の紹介へ繋がるから伝説になるのだよ

 

「だから伝説なんだ

 

「お金とは信頼だ

 ハクは信頼に応えられる自信があるからそれに見合った対価を求める

 私はその対価に見合う期待をして要望を出し、応えて貰えれば当然対価はしっかり払うよ

 

「うちらもそれなりの対価が欲しければ要望に応えられるようにならないといけないのね

 

「収入はどれほど人に貢献できるかで変化するからね

 だから私も事業で世間へ貢献しているのだよ

 おかげでこんな暮らしをさせて貰っている

 

「自分の描きたい絵だけじゃダメなんだ……

「だからデッサンとか必要だったのね

 

「君たちはハクの居場所を探していると言ったね

 

「あ、はい

 

「今ハクは谷に住んでいると聞いているぞ

 

「うそ、うちの近く!?

 

「地図を描いてやろう

 あいにく私は絵心が無くてね

 これでもお役に立てればいいんだが

 

「ありがとうございます!

 

「君たちの家の近所なのか。良かったね

 ところで、どこかのアトリエには属しているのかね?

 

「一応クロっていうおじいちゃんのアトリエに居ます

 

「……ほう。はっはっは!

 またいつか機会があれば会おう

 ハクに会ったらよろしく伝えてくれ

 

富豪のおじさんの屋敷を後にしたベニーとアイは不思議な後味を感じながら宿へ戻り、

チェックアウトの手続きを進めました

 

2人は谷へ戻り、おじさんから受け取った地図を頼りにハクの居場所を尋ねる事にしました

そして見慣れた景色を足早に進んでいくとハクの居場所らしい建物が見えてきました

 

「あれ、もしかしてこの方角、この道って……

「まさか……ここってうちじゃん!

 

2人の地図の見かたが間違っていなければ、

ハクの居場所はクロのアトリエを指しているのでした

 

「ただいま……

「なんかもう、よくわかんない……

 

「思ったより早い帰りじゃったのう

 

帰宅するなり座り込んだベニーとアイを見てクロが言い寄りました

 

「その後、どうじゃった?

 

「首都へ行ってアトリエを巡ったよ

「デッサンが大事だとか、デザインを学ぶと見せ方が上手くなるとか学べたよ

 

「あとハク様を知ってる富豪のおじさんを紹介してもらったよ

「そのおじさんにお金とは信頼だとか、要望に応えることが大事だとか聞いてきた

 

「そしてハク様の居場所を地図に描いてくれて、それが谷だったから戻って来たんだけど……

「その目的地がうちにしか見えないってワケ

 

「ほう、その富豪は今何をしておった?

 

「なんか事業してるみたいだよ

 屋敷も綺麗だったし上手くいってそうで元気だった

 

「そうかそうか。それは良かった

 で、描いて貰った地図がここだったと

 

「そういう事。もうよくわかんない

「疲れちゃった




「首都へ行って色々気づきを得て来たようじゃのう





「まーね。勉強になったよ

「好きな物だけ描いてればいい訳じゃないみたいね





「まだハクに会いたいのか?





「そりゃあハク様にはお会いしてみたいわよ! 絵師の憧れだし!

「ねー! 会いたい! もー、どこにいるのー?




「ワシがハクじゃ










「ふーん

「……え?









「ええええぇぇぇ!!?

「どう見ても黒いじゃん!




「残念かもしれんが実はワシがハクじゃ




「クロじいちゃんでしょ! 黒いじゃん!

「ハクさまってもっとスタイリッシュで美白で素敵なお方だって思ってたよ!

 

「黒いのは色々訳があるんじゃよ

 いつか話す時が来るじゃろう……



「……そんなまさか……

「今までうちらハク様のアトリエでハク様直伝で学んでたって事……!?

 

「そういう事になるな

 

「だから首都の皆はハク様と同じ事を言ってたの……

「どうりでクロじいちゃんも同じ事言ってたなって感じた訳……?

 

「なんか色々ショック……

「気持ちの整理に少し時間をちょうだい……



「ホッホッホ。いいじゃろう

 今日はゆっくり休むといい



その日は2人ともどんな人と会って何を経験して

何を学んだかを思い返しながら床に就きました。

 

翌朝、2人は以前と同じように起きて来ました。

 

「来たな。よく眠れたか?

 

「未だに信じ難いんだけど、

 とにかくクロじいちゃんがハク様なのね。

 

「そうじゃ

 そして今日はお前たちに試練を与えよう

 これを乗り越えたら一人前の絵師じゃ

 

「うぇぇ、試練?

「でも、それで一人前になれるの?

 

「試練を乗り越えたら一人前と認めよう

 事実上、ハク承認の一人前という事になるな

 

「ハク様承認……!

「なんて素敵な響き!

 

「だが試練と言うからには簡単じゃないぞ

 

「どんな試練なの?

 

「試練とは自力で受注し納品書にサインを貰う事じゃ

 

「自力で受注し納品書にサインを貰う……?

 

「求めている人を見つけ期待に応えれば良い

 それだけの事じゃいよ

 

「クロじいちゃんは簡単そうに言うけど……

「自信がなくて不安……

 

「求めている人を見つけたら自分が役立てる事を伝えて貢献すれば良い

 ポートフォリオを見せて交渉すればいいんじゃ

 

ポートフォリオ

 

「作品集のようなものじゃよ。

 依頼者と会ってすぐに自分の画力を伝えるならポートフォリオを見せて

 過去にこんな絵を描いた実績があると伝えるんじゃ

 

ポートフォリオに載せられるような作品、あたし達にはまだ無いよ

 

「お前らは首都で訪れたアトリエで何を得た?

 デッサンを学び、デザインを習得したじゃろう。

 

「そりゃあ……

 

「要望に応えることが大事だと聞いたんじゃろ?

 

「うん。ヒアリングが大事だって。

 それはうちらも分かったつもりだけど……。

 

「そこまで分かっていれば、あとは経験じゃよ。

 少なくとも絵を描かない人達の役に立つことは出来るじゃろう。

 

「でもうちらより上手い絵師はたくさん居るよ。

 

「ほっほっほ。そんなに悩まなくても良い。

 市場は必ずあるんじゃ。

「市場?

 

「自分が役立てる場所の事じゃよ。

 ベニーは村へ、アイは首都へ行くんじゃ

 

「ええ!?

「うちら別行動?!

 

「一人前になる試練じゃよ。まず通る道じゃ。

 各々が自立して、ようやく協力して二倍以上の貢献ができるようになるんじゃ。

 

「あたしは村へ……

「うちは首都で……

 

「「大丈夫かな……

 

「ベニー、アイよ。身支度をせい。

 今日中に発つのじゃ。

 

「また急な!

「今日中!?

 

ベニーとアイはクロに急かされるように身支度を整え、

2人はクロのアトリエを後にするのでした。

村までは一緒に行動です。

 

「ねえ、アイ。

「なあに、ベニー。

 

「あたし未だにクロじいちゃんがハク様だなんて信じられない

「うちもそう。でも他の人の話を聞くとつじつまが合ってるのよね……。

 

「この試練を終えたら一人前なんだよね。

「みたいだよ。しかもハク様直伝承認付き。

 

「クロじいちゃんの承認でしょ。

「……それは考えちゃ駄目。ハク様はハク様よ。

 

「別行動しなくても村で一緒に絵を描きましょうよ

「それだと試練にならないわよ。

 一人前になれないってクロじいちゃんが言ってたでしょ。

 

「そうだよね……。

 

村でアイとベニーは分かれ、アイは首都へ向かいました。



村へついたベニーは宿を探し、受付で絵を求めている人は居ないか訪ねてみました。

 

「この村で、絵の仕事がしたいんですが、心当たりはありませんか?

「そうですね……でしたら広告屋さんを当たってみるのはどうでしょう?

 

広告屋さん……気が向かないけど当たってみる。

 ありがとう。

 

ヒントを得たものの、ベニーは元々可愛い絵を描きたかったので気乗りしませんでした。

しかし試練を早く終えたい気持ちで広告屋さんへ当たってみる事にしました。

 

翌朝ベニーは教えて貰った広告屋さんを尋ねました。

そのお店は村の中でも比較的賑やかな場所にありました。

お店の外から中を眺めてみると、お店の人の姿は見えず

奥の方で人影が動いている様子が分かりました。

 

「ごめんください……

 

ベニーが恐る恐る入ってみると、奥から年老いた職人が現れました。

 

「可愛いお嬢ちゃんだのう。

 どうかしたのかい?

 

「あたし、一人前の絵師になる為の試練中なの。

 その為に仕事を探してて……。

 

「ほほー! 絵師なのか。

 この村では珍しいのお。

 

「えっ、そうなの?

 

「そうじゃよ。

 人が住む所には物を売りたい人が居るじゃろ

 

「生活があるしね

 

「そう、そして物を売るには集客が必要じゃ。

 集客には宣伝の為に広告が欠かせないんじゃよ。

 

「そりゃそうだけど。

 

「広告の需要があるのに描き手が足りないんじゃよ

 

「どうして?

 

「絵師は皆首都に憧れて行ってしまうんじゃ。

 こっちは人手が足りなくて困っておるのに……

 

「おじいちゃん、あたしでも力になれる?

 

「お嬢ちゃんは絵師だと言ったのう。

 どんな絵を描くんじゃ?

 

「ええと……こんなのをアトリエで描いてたよ

 

「ほう、基礎は出来てるようじゃな。

 ワシは最近の流行りについていけないし、

 デザインをお嬢ちゃんに任せてみようかの。

 

「本当に!? ありがとう!

 あたし頑張る!

 

ベニーは競争相手の少ない村で仕事を見つける事に成功し

広告業を営むおじいちゃんに頼られ役立とうと頑張りました。

 

この村にある広告屋はここだけ。

そこで流行りのデザインを追うことが出来て

感性豊かなベニーは意気揚々と働き始めました。

 

一方のアイは首都で絵を求める人を探しました。

しかし絵師の憧れである首都なので腕の良い絵師はいくらでも居ます。

アイはどう人の役に立てば良いのか悩んでしまいました。

 

考え事をしながら道を歩いていたら、どこかの路地裏に迷い込んでいました。

元々道を知らないのでどこへ行っても迷子に変わりません。

偶然目に留まった所に喫茶店があったので、そこで一休みしつつ地図を見せて貰う事にしました、

 

「いらっしゃい。

 

閑散とした店内に声が響きます。

 

「お好きな席にどうぞ。

 

地図を見せてもらいたい都合上、アイはカウンター席へ座りました。

店内を見渡すと他に店員や客の姿が見えません。

 

「アイスコーヒーを1杯と……地図を見せてくれませんか?

 

「地図ですか? はい、どうぞ。

 

「あのう、ここってどこですか?

 

店員は地図を広げると大通り傍の路地裏を指しました。

 

「この店は……ここですね。

 どこかお探しですか?

 

「探しているっていうと……仕事かな。

 うちは絵師をしてるんだけど、絵を描いて納品書を貰う試練をしてるの。

 

「そうですか……大変ですね。

 

「……この店は静かでいいですね。落ち着く。

 

「静かすぎるくらいですけどね。

 立地は悪くないと思うんだけど、もう少しお客さんが欲しいな。

 

「もっとお客さんが欲しいんだ?

 

「そりゃあね。

 僕は店長をしているんだけど、大通りそばに開店できた当初はワクワクしてたよ。

 友達を呼んだりしてさ。

 

「うちは静かなほうが好きだけどな。

 

「そういえば君はどうしてこの店に気づいたの?

 

「考え事しながら歩いていたら偶然見つけたのよ。

 

「偶然かあ……。

 

「あっ、もしかして。

 

アイは店の外へ飛び出しお店の外観を大通り側から眺めました。

 

「ちょっとちょっと、どこへ行くの?!

 

「あっ、ごめんなさい。

 つい衝動的になっちゃって。

 

「何があったの?

 

「ほら、やっぱり。

 

アイは大通りから路地裏の店を指しました。

 

「え? どうしたのさ。

 

「お店がある事が分からないのよ。

 

確かにそこにお店はあるのですが、

お店の名前は出入り口の上にあったので

大通りから見ると真横の角度で見えませんでした。

 

しかもお店の名前はオシャレそうな英名でも喫茶店である事が伝わらなかったのです。

 

「お兄さん、このお店のロゴはあるの?

 

「ないよ。あまり儲かってないし、作る余裕がないんだ。

 お客さんはリピーターばかりだから、経営がギリギリなんだよね。

 新規のお客さんを招くような宣伝広告費なんて割けないよ。

 

「うちにロゴ描かせてくれない?

 ここに喫茶店がある事が皆に伝わるように、

 カップや食器のシルエットを使ったロゴを描くから

 大通りから見えるような看板を作りましょう。

 

「そうか、君は絵師だったね。

 頼みたいけど、うちはさっきも言ったように儲かってないからあまり払えないよ?

 

「いいよ。まずはそこからやってみようと思う!

 

アイは計算が得意だったので、デザインのバランスをしっかり計算し、

看板を設計して大通りからよく見えるように設置するデザインをしました。

 

そのおかげで認知拡大に成功し

大通りの喫茶店に入店できなかったお客さんが流入するようになり

口コミが広がって売り上げが伸び始め、予想以上の成果で

アイは最初に見積もった金額に上乗せで報酬を受け取れました。

 

そしてベニーとアイは納品書を受け取り、谷へ戻る事になりました。

 

「クロじいちゃん!

「ただいま!

 

「帰って来たか。

 どうじゃった? 納品書のサインは受け取れたか?

 

「あたしたち、出来たよ!

「うちにも役立てるところがあったんだ!

 

ベニーとアイは納品書を自慢げにクロに見せます

 

「自信を持てたようじゃの。

 ちょっと前まで自信無さげにしておった癖に。今は活き活きしているな。

 



「えっへん!

 

「約束通り、お前たちを一人前と認めよう。

 もう自分で受注でいるじゃろう。

 

「しかもハク様承認済み!

「でもクロじいちゃんでしょ?

 

「教え子の門出祝いじゃし、たまに一筆送ってやろうか?

 

「クロじいちゃんまだ描けたんだ?

「いま描くとどんな感じなの?!



サササッーー

 

「ほれ。

 

「「――――!!

 

クロはいったいどんな絵を2人へ描いて贈ったのでしょう?

想像してみてくださいね。

(終) 

ベニー について詳しくはこちら

アイ について詳しくはこちら

クロ について詳しくはこちら

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サーフェスで外出作業をしてみた4

我が家に筆圧がやってきた

サーフェスを買ってから既存の作業環境の再構築が重い通りに進まず逆行を進んでいる状態ですが、少し進展がありました。

 

フォトショでは最新版にすれば筆圧機能が得られる見込みがあるのですが、

考えてみたら筆圧以外の機能は現状得られてるから、できるだけ安価に筆圧機能を得たれればなおさらうれしいのです。

 

フォトショだとエレメンツが買い切り2万円。

CC12ヵ月フォトショのみ1.2万円。

CC1ヵ月フォトショのみ2000円。

 

少し話がそれますが、以前、クリスタは5000円で買い切りだという話を聞きました。

そして複雑な設定を調整すれば筆圧機能は使えるとの話も聞きました。

 

ん、まてよ。フォトショは3か月で6000円くらいかかるけど、クリスタは5000円?

最新版にこだわり続けるほどの需要はないので、5000円で永続的な筆圧機能を得られて且つ新しい作業環境を得られるのは良い機会なのかもしれない。

そう考えたらクリスタの選択肢は有りだと思えてきました。

 

そして体験版を導入。

クリスタでは筆圧を検知しました。

しかも決済手段Amazonアカウントが選べます。こりゃいい。

体験版使って気に入ったら購入決定です。

 

フォトショでも拡大縮小は使いにくい

前から問題になっている頂点移動です。相変わらず使いにくいです。

どうやら対象が小さい場合は長おししないと反応しないようです。

 

長押しは右クリックの設定だと思うのですが、旧PCでも色々調整した事を思い出しました。

確かダブルクリックの設定時間を調整したら改善したような……。

管理画面で設定をいじってみたら少しは改善した気がするのですが、頂点移動の問題は相変わらず残り続けているイメージです。

 

サーフェスで初めて絵を描いた

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クリスタの線ってきれいですね。
効果線がお気に入りです。強弱がついていいなあ、これ。
問題点があるとするなら、線の端が切れてしまう事。
何かオプションで設定できるような事を聞いた気もするけど……。
とりあえずクリスタで線を引けるようになったので、線画を終わらせました。
塗りをフォトショップで挑戦してみたら、フォトショも使いにくい。
長時間ペンを動かすと長押し判定の処理が裏で動き始めるのか、極端に動作が遅くなってしまいます。
これはストレスを感じます。
タブレット端末とはいえ旧式のアプリにそんなに負荷をかけないでほしい。
 
あと、ツールバーの文字やアイコンが全体的に極端に小さい。
管理画面で大きさを調整する事は可能なんだけど、フォトショに限らずOS内の文字すべてが大きくなるから極端なんです。
うむむ、誤タップが多くて困っちゃうなあ。

新旧問わずフォトショは必要

クリスタはレイヤーを乗算したりオーバーレイ出来ないみたいです。

でも線はキレイに描けるので、クリスタは使い続けたい。

フォトショもレイヤーを重ねるためにほしいなあ。
 
まだまだ色々チャレンジする事はありそうです。
 

友達価格とは何か

一度は友達価格という言葉を聞いたことはありませんか?

友達価格とは一体どういう意味で考えていますか?

 

僕は今まで友達価格の意味を二つほど聞いたことがあります。

ちょうどタイムリーなので今回はその二つを紹介しようかと思います。

 

友達価格とは通常料金に上乗せした価格

これは提供者目線を持っている人が考えられる思考です

友達を応援するために、もっと励んでほしいから、通常料金よりもさらに多くのお金を払うという考え方です。

サービスを受けた側が、サービスを提供してくれた友達を応援する為に、本当なら5000円のサービスを6000円で支払ったりします。

 

友達価格とは通常料金よりも安い価格

これは消費者目線を持っている人が考えられる思考です。

実は裏の仕組みを理解せずに安いという都合の良い部分だけ見て居たりします。

例えば美容師はどこかの企業に属してサービスを提供し、企業の流通網や集客力を活かしてサービスを提供します。この時お客さんが払うのが通常料金です。この料金には原材料費と謝礼の他、企業が徴収する手数料が含まれています。

(例:シャンプーリンス材500円+謝礼2000円+徴収3000円=5500円)

この場合でいう友達料金とは、企業の力を借りずに、美容師さんが自ら望んで友達のためにサービスを提供し、企業が徴収する手数料を差し引いた原材料費と謝礼だけの料金となります。

(例:シャンプーリンス材500円+謝礼2000円=2500円)

 

人は都合の良い話を信じて広めたがる

他にも色々な考え方が有るかもしれませんし、賛否が分かれるかもしれません。

人は自分にとって都合の良い話を信じる傾向があるので、話を聞いたところで「自論はこうだ」と異見があるかもしれません。

その意見に反対するつもりは無いですし、尊重します。

この話は参考程度に受け取っていただければ幸いです。

サーフェスで外出作業をしてみた3

今回は外出作業はしてませんが、先日発生した問題を解決するための経緯を書こうとおもいます。

 

とりあえず自力で解決できないのは分かったので
サーフェスを買った店で担当の店員さんへ聞いてみる事にしました。

 

イラレで頂点移動ができたりできなかったりする」

adobe商品の話なので担当外だということで
自分でadobeへ問い合わせるように案内されました。
まあ、管轄外ならそうだよね……。

 

「フォトショで筆圧が検知しない」


サーフェスにデフォルトで入っている
「スケッチパッド」では筆圧が効いている事を確認していただけたので、
adobe商品の問題だから自分でadobeへ問い合わせるように案内されました。

 

「ペンの長押し機能を無効化したい」

できないそうです。
この機能がイラレやフォトショを使いにくくしてるんじゃないっぽいので、
そうであって欲しいです……。

 

「拡張子.txtの規定プログラムをサクラエディタに設定したい」


これ、聞き忘れちゃいました。
今度聞いてみよう……。

 

 

 

ーーという訳でadobeへ問い合わせる事になりました。
問い合わせるにはadobeアカウントを取得する必要があります。
これは有料のadobeソフトをインストールする際に取得しているはずなので、
そのアカウントを使えば良いのですが、
なんと僕はプリンターを買ったときにおまけでついてきた無料版。Photoshop Elements7.0を使っています。

なのでadobeアカウントを作る事から始まります。
メルアドがあればアカウントが作れるので作成。
そして問い合わせ先を探すのですが……
なんと、Photoshop Elementsは無償版なので窓口がありません。
変わりにオンラインコミュニティがあり、
いわゆるyahoo知恵袋っぽい書き込み掲示板があります。

似たような問い合わせはないのかと探してみたのですが、
サーフェスpro6で純正のペンでPhotoshop Element7.0を使って
筆圧機能で困っているユーザーは他にはいないようです。

今回は新しくスレッドを書き込むことにしました。
解決できるといいなあ。

サーフェスで外出作業をしてみた2

サーフェスペンに慣れない

頂点移動ができたりできなかったり。
イラレ上では大きな写真画像(オブジェクト)はペンで簡単にドラッグができるのに、
同じ写真画像を縮小した後に同じペンで同じドラッグ操作をしようとすると上手くいきません。
いったいどんな法則なんでしょう?
同じドラッグ操作でも対象となる写真画像の寸法によって法則が変わるようです。
イラレのおせっかい機能なのかな? 何なんだろう?
とにもかくにも、この扱いにくさに慣れてきた、昨日よりも15分くらい早く作業が進みました。
昨日は調べながら扱いにくさに解決策を探しながら作業してましたしね。

キーボード打ちにくい

配置に慣れてきました。
矢印キーの位置とか、HOMEとかENDキーが無いことにも慣れてきました。
おかげてタイピング速度は昨日より早めでスラスラ入力ができています。
ファンクションキーはちょっと慣れないんですけどね。
そういえば今日は部首検索画面(F5キーを押すと出てくるやつ)を見かけてません。
昨日より上達してるね。やった!

あとはdelキーの位置に慣れなきゃだなあ……。

拡張子.txtの規定プログラムをサクラエディタに設定したい

相変わらず解決策がみつかりません。
僕はサクラエディタで開きたいんだよお……。

 

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今日はこんな感じ。

操作に慣れることを優先しているので写真の選定は適当でごめんなさい。

やっぱり右端のほうがちょっとはみ出してる。

どうやらイラレってカンバスサイズから溢れた領域を保存しているみたい?

そんなまさかねえ……。何か設定とかあるのかな?